TOPPAN FUTURISM Jwaveで聞く脳科学茂木健一郎さん

コーチング

こんにちは

ラジオって聞きますか?
私は小学校のころにラジカセをもらってからというもの
親しんできました。

一時、聞いてなかったのですが、
今は車に乗るときはたいていラジオです。
流してるといい情報に出会うので、
今回はそんな話を。

車でラジオ

前まではCDとかiPhoneに入れてた音楽を流してたのですが、
何百曲と入ってるはずなのに、リピートしてばかりと感じてしまう。

まあ、単純に言えば飽きたのでラジオを流してみたら、
昔の、何か新しい事に触れ合える感触がよみがえり
車にのったらラジオをつける、になってます。

途中で入っても、終わってもいい感じのコンテンツ作りが、ありがたい。
後はCMの後で、のテレビとは違い車の運転には合いますね。

で、日曜の夜、

大抵ラジオ番組は途中から聞き出すものなので、
なんの番組か探りながら、興味の分野なので、
ちょっとボリューム上げます。

結局、全部聞きたくなったので、
radikoではじめから聞きなおしました。
そんな番組のレビューです。

番組名はTOPPAN FUTURISM。

パーソナリティーの小川和也さんは
フューチャリストと名乗っていて、
デジタル時代の警鐘を訴えている本も出していて
注目の方です。
南沢奈央さんと相まって、
日曜の夜にはいい感じの番組です。

脳科学で読み解くアナログ文化

脳科学で読み解くアナログ文化、がテーマで、
ゲストは脳科学者で有名な茂木健一郎さんの回。

メモ書きなど、アナログが注目されている昨今、

デジタルの世の中で、アナログが必要なのか?

脳科学で読み解くとどうなるか?

を、茂木さんに聞いていく形で
番組は進みました。

デジタルとアナログ

デジタル、アナログは
一般に説明すれば時計がいい例。
デジタルは数字や記号で表せられる
断続的なもの。
アナログは目に動きが見える
針で表す、連続的なもの。

現在、GAFAと言われるデジタルの先進企業では
人間的な共感やコミュニケーションの
再構築に注目していて、
日本ではメモ書きなどアナログが注目されてなど、
デジタルからの揺り戻しが起きていることが
世界的なトレンドとのこと。

こんな状況で脳科学的にはどういうことなのか
茂木健一郎さんと話が進みます。

アナログ回帰

CDが売れない現在、
20代から30代の人たちの間で
音源として手間のかかる、
レコードやカセットテープの
人気が高まっているとのことで、
まずは、アナログの魅力は何か?
の話題になります。

ここで出てきたのが
脳科学の分野で、
望ましい困難(Desirable difficulty)
ということが話題になること。

これは何か学ぶときに
引っ掛かりやノイズなどの困難がある方が
学びが深くなる傾向があること。
今のデジタル世代にはこういったものの欠如に
気付き始めたのではと予想します。

レコードは大きさもかさばるし、
かける前のクリーニング、
聞いてもノイズがある。
ただ、手に持つと愛着が出てくる。

この愛着は、モノの対する本能的な訴求力を
満たすためでは?とのこと。

身体性を求めて

今の2,30代は物を欲しがらない世代と言われ、
音楽でもストリーミングとか
ものを持たないでシェアで過ごせる世代。

ものを持つことは体の延長と考えられて、
この身体性を得るために
所有力がよみがえっていると考えられる。
言ってみれば
アナログによる揺らぎを楽しんでいる感じ。

ドーパミン

人が喜びを感じるのにドーパミンという
脳内物質が出るということが知られてますが、
このドーパミンはなかなか厄介で、
何か負荷をかける、言い換えれば苦労しないと
出てこないらしいです。

人は喜びを求めて苦労するために、
アナログに触れたくなる。
その表れが
レコードとか、カセットテープ、
メモ書きなのでは?
と推論してました。

 

AIは人間の思考をパクっているのですが、
デジタル化やAIなどの登場で、
逆に人間が楽をして、この部分が退化しつつある。
とも言える世の中。

このドーパミンが出にくい社会に対して、
脳科学的にはこんな社会に対する
身体性を求めたというか
わざわざ苦労するような回帰が起きているのでは
と解説されます。

AIの身体性?

身体性の必要性に関して、
AIというかロボットの研究例をあげていて

以前は発話させることが難しかったのですが、
身体性を研究し、脳がどのように唇を動かしているか
ここまでさかのぼることで、
飛躍的に発話する性能が高まった
という事実があります。

 

脳の発達には、身体性の研究も欠かせない
ということの実証でもあるので、
アナログに触れて、
無意識に苦労を求めている説は
ありですね。

メモ書きが流行ってる?

ここで、アナログ化の象徴というべき
メモ書きについての話題へ。

メモの本当の効能

ロボット犬AIBOを作った人が
メモ書きの達人で、会議に参加した時に
メモしたいので紙をくれといって、
会議中ずっとメモ書き。
あー面白かったと言って、
そのメモはおいていってしまう。

これは、メモを取ることが目的で、
情報を残すという前提自体がない
ということを示している話。

茂木さん曰く、
アウトプットして初めて、
自分の考えを確認することができる。
このアウトプットに体を使う手書きのメモはお手軽。
とのこと。

AIBOの人は
いわゆる自分との対話(メタ認知)
にメモ書きを利用しているのでは、
とのこと。

 

最近の風潮で会議とかメモを取っても
見返さないので意味がない
頭に残ったことだけが重要なんだから、
参加すること自体に集中しよう
という流れをよく聞きます。

その一方、メモは大事なので、
あとで読み返せるような
使えるメモ術はこんなものがある
という紹介も目にします。

この番組での議論はその上を行っていて、
脳内を活性化するため、メモはその時のいい道具。
情報を残す、残さないの話とは別次元の話ということです。
この効果はデジタル機器では難しいかもとも。

ここはメモとらなくてもいい、と言われながらも、
やっぱり書いてしまう私には腑に落ちる話です。
これからも見返さないメモは取り続けても
いいということですね。

どうせ後で読まないし、
必要なことは頭に残るからと、
メモ書きをやめていた小川さん、

そういう効果があるなら見直すことも
必要かと言ってました。

会議中のドゥードゥル

ここで茂木さん、会議中暇なときには
落書きをしているという話を。
これはドゥードゥル(Doodle)と言われていて、
会議は聞いているけれど、
脳の別な部分を使ってやっている作業
とのこと。

Doodleとは、
「いたずら書きをする」「いたずら書き」
を意味する英単語。

この絵というか落書きは
意識のコントロールが入っていない分
本質が現れ安い。
そいう意味でこういうものが残っていれば
見返すと、あ!というような
発見があることもあるとのこと。

デジタル アナログ 脳への影響

デジタルとアナログで
使う脳が違うのかという話で、
ニーチェの話。
手で書くのと、キーボードで書くので
文体が変わると言っていたらしい。

ただ、今、タブレットですべて仕事を済ませる
人もいて、優劣はつけられない。
人間の脳は環境に適応できるので、
必要とされる能力はいつでも発現するとも。

人間変わるためには無茶ぶりが必要。
それはアウトプット。書けという話に戻ります。
書くことで自分が変わる。

書いている自分と書かれたものは、
自分とは切り離せるほど違う。
これを知ることで、自分も知れる。
卵と鶏みたいです。

 

書くということで、南沢さんは、夜寝る前に
3行日記を書いているそう。
嬉しい事、悲しい事、明日やること。
これを始めたことで、
寝つきと目覚めがよくなったとのこと。

実験されているかは不明と前置きして、
これはアウトプットすることで、
思考のリリースというかデトックスされ
自律神経が整うのでは、と予想。

よく本を出版する人は、作品を書きあげたら
自分から離れて、自分の一部を外すことになる。
原稿を上げるまではよく眠れないとの話。
3行日記と符合します。

これのいいところは
3行日記そのものではなくて、
試す、という実験を行って、
結果を実感するという流れ。
その手法が合うか合わないかは別の問題で
身体性を伴った実験はいい、という話です。

脳と体の関係性

脳と体の関係の話に話題が変わり、茂木さんは
ランニングを日課にしているとのこと。

身体を動かすのは脳のため

これは脳の働きをかなり意識している行動。
デフォルトモードネットワークと言って、
脳が何もしていない時に働く機能があって、
記憶の整理や、結びつき、ひらめき、
ストレスの解消が起きているとのこと。

だから、トレーニング中にスマホとかで
メールのチェックをしては台無し。
横断歩道で止まっときは、
向こうでは何が起きているか、
見渡すのがいいとのこと。

同様に運動しながらセリフを覚えるのは
記憶の定着にはいいらしい。

 

小川さん周りの経営者達は
トライアスロンとかトレイルランが
流行っているとのこと。

グリッドと言われるやりぬく能力が
注目されているが、
経営者でもハードな運動にもどちらも必要。
頭を使う、身体を使う、の違いがあるが、
流れるものは同じ。
相性がいいから流行るのもおかしくない
ということみたいです。

走ることは人間の本能

トレイルランみたいな運動にはまる人と、
そうでない人がいるが
どうしてかという話に話題転換。

太古のころ、
人間は長く走る動物だったらしい。
一時的に獲物に距離をとられても、
1週間、2週間と追い続けることで
獲物を得ていた。

確かにマラソン走り切れるのは
人間くらいしかいないと
聞いたことはありますね。

つまり、自然の中を走り続けるのは
人間の本能。
身体が使えていないのは、
この本能が眠っているだけ、
で話は締められます。

人にとってアナログとは

最後に、
デジタル時代のアナログの大切さとは
というお題に対して、
答えは、自分を映す鏡、
とのこと。

その心は
アナログには引っ掛かりがあるので、
その引っ掛かりを通して自分に気付く。
自分の振り返りもできるので、
面倒くささを楽しむくらいでいいのでは
とのこと。

人は身体性という面で
引っ掛かりを本能的に求めている。
アナログはファッションともみられるが、
そうではなく、現代人の足りないものを
補っているではないか?
これが今回のテーマの
まとめではないでしょうか?

デジタル アナログの比率

最後に、
茂木さんの生活のデジタル、アナログ比は
どのくらいかで、答えが
7:3くらいとこのと。

冒頭のGAFAの話が出ましたが、
Googleでは7割専門分野、3割本業以外の
仕事配分が目安とのこと。

デジタル抜きで仕事は成立しないので、
デジタル7割、アナログ3割は
脳にはバランスがいいのではとのこと。

デジタル時代に必要なモノ

最後に、小川さん。
AIに代表されるデジタルの時代は
ミスも遊びなどのノイズもない
というか許されない時代ともいえる。

そんな時代でのアナログは
脳を刺激してドーパミンを発生、
気持ちよくなるために必要なモノ
で番組は締められていました。

タイトルとURLをコピーしました