ムーミン展 グッズとストーリーに触れ合う スナフキンはどこだ?

書評・番組紹介

こんにちは

今回はそろそろ東京会場の展示が終わる
ムーミン展に行った時の話。

ムーミンに出会ってから半世紀近く、
こんなおじさんになっても、
スナフキンに影響されてる私ですが、
先月、たまたま近くにいて、時間もあったので、
ムーミン展をやっている
六本木ヒルズの52階、森アーツセンターギャラリーまで足を運びました。

そもそもムーミンとは、
フィンランドのトーベヤンソンが書いていた絵本の主人公。
カバのようですが妖精とされている、そんな一家や仲間たちの
日常を描いていて、日本でも昭和、平成と
続きではないですがアニメ化されていて、
各世代で幅広い人気がある作品と思ってます。

ギャラリーは高層ビルの高いところ。
なんとなく日常と違う空気感の中
エレベーターを上がってフロアに到着です。

日常の外という感じで、美術館にはもってこいの
ロケーションかもしれません。

このムーミン展
ほとんど調べてなかったので、
最初、思い描いていたのは、よくあるデパートで人形や
グッズを売ってる合間に人形や絵本が展示してある感じ。
これをちょっと大掛かりにしたこんなかな程度。

なので、1800円もする入場料に、あれ?と思いましたが、
六本木価格かあ、しょうがないな
と思い、引き返せずにしぶしぶ入ります。
ですが、予想を大きく裏切って、
ちゃんとした美術館の展示でした。

展示品は、
世界唯一の、フィンランドにあるムーミン美術館のもの。
今年のヨーロピアン・ミュージアム・オブ・ザ・イヤーの
候補にもなった、ちゃんとした美術館の様です。
候補って言うのがいい感じ。

平日だからか、人もまばら。ゆっくり見渡して
1時間ちょっとくらい。
思った以上に楽しめました。

展示品は、初めは絵本とその挿絵。
10㎝角くらいのオリジナルの絵も並んでます。

出版された絵本を、順になぞるように並べられていたので
ムーミン一家の歴史というか、こういう話だったんだと
初めて知ることばかり。

特に、
物語の中心はムーミンパパらしいということ。
天才バカボンというタイトルだけど、
活躍するのはバカボンのパパみたいな構図です。

一家が放浪の末、
ムーミン谷を見つけて
居着くところから物語が始まり、
そんなムーミン谷での暮らし。

家族のきずなをしっかりつなぐために、
そんなムーミン谷を出て孤島に移住する。
それが数々の絵本で展開されるムーミン一家の姿です。

アニメで見たような
ムーミンが仲間たちとムーミン谷で遊びまわる、
というのはごく一部を
アニメ用に広げたものだったんですね。

ムーミンの恋人の、昭和ではノンノン
平成ではフローレンは、
スノークのお嬢さんと、
固有の名前がなかったりとか、
絵本にはほとんど出てきません。

スナフキンもあまり活躍してなさそうな
雰囲気です。

絵の作風も変わっていって、
5作目くらいで完成となった模様。

ここら辺で、ムーミンと仲間たちの
キャラクターが固定されたとのこと。
確かに初期のムーミンは
ちょっと寂しい感じでした。

その他の展示は、
トーベ・ヤンソンの創作の場所、という区画では
ムーミン以外の過去の作品展示。

風刺画や雑誌の挿絵などの中に
日本を紹介する本も置かれていて
ちょっと意外な展示も。

本人写真を見て、
ああこの人は女の人だったのかと
これも初めて気づきます。

本の世界を飛び出したムーミン
というところでは、
過去の人形やポスター、すごろくなどのグッズ、
舞台になった時の様子の展示ですね。

日本とトーベとムーミン という区画では
本人は公にしてますが、
トーベさんは浮世絵の影響を受けていたことを
示す展示も。

歌川広重や葛飾北斎の絵と
ほとんど同じ構図の挿絵が
ムーミンの絵本で使われていて、
これらを並べた展示が面白い。

富嶽三十六景とか北斎漫画、各所江戸百景など
どこかで見たことあるような描写が
ムーミンの絵本の中にもたくさんあります。

ジャポニスムは19世紀にヨーロッパで流行した日本趣味
と言われてますが、
1945年の20世紀には定着したんですかね。
トーベさんにも大きな影響を与えたみたいです。

もしかして日本人というか、私がムーミンの世界観を
受け入れやすいのは、
ムーミン谷の描写が、浮世絵に近いからなのかもしれません。

 

最後の方の展示で、多分ムーミン最後の絵本なんでしょう。
ムーミン谷への不思議な旅。
ストーリーが判るように各ページが並んでました。

内容は、毎日退屈している主人公の子が、
不思議なメガネをかけると、


何故か波乱の冒険が始まり、ムーミン谷に紛れ込んで
大騒ぎ。
宴も終わり、白夜の中家に帰ったのですが、
思い出してもあれが現実だったか判らない。
ストーリーはここで終わるのですが、
そんな問いに作者はこう答えます。

現実かそうじゃなかったなんてどうでもいいこと

なんか粋な締め方だなあと、ちょっと感動しました。

説明するほどやぼったくなりますが、
そう、楽しかった思い出なら現実でも夢でも
どっちでもいいじゃない。同じことなんだから、
という感じ。
ゴールと現実の関係みたいです。

最後に撮影ポイントで
ムーミン谷の冬から飛び出した
キャラクターたちを写真に収めて
展示は終了。

売店では図録と
スナフキンのホルダーとかTシャツを買って
満足しておしまいです。

東京開催はそろそろ終わって、6/16までとのことです。
図録には大分、名古屋と続くと書かれてましたし、
Webでは、ここ以外でも岩手、札幌、大阪、熊本と
日本各地を周るみたいです。
ご興味あれば是非。

先日、ここで入手したTシャツを着ていて、
ショッピングモールでかき氷を買おうとしたら、
私よりだいぶ年下のかき氷屋のお兄ちゃんに

それスナフキンですよね?
オリジナルなんですか?いいですね。
と言われました。

奥にいたお姉ちゃんもなになに?
と出てくる感じ。

着るもののTPOは心得ているつもりですが、
世代が違っても盛り上がれる、
そんなムーミンの世界があるんですね。

オリジナルの絵本のスナフキンは
イメージしているスナフキンとは
ちょっと違うのですが、
この違いを受け入れて
楽しめるようになってきた
今日この頃です。

最後にこれは東京駅の
ムーミンショップで見かけて手に入れたスナフキン。
こんなスナフキンもありですかね。
安っぽくなければ、
受け入れられるようになりました。

結局大人げない話題に終始してしまいましたが、

大人が作ってるものなんだから
大人が楽しんで何が悪い

という言葉を頼りに楽しんでます。
で、締めていいか不安ですが、
これでおしまいです。

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