書評 時間の教科書 おちまさと これまでで一番読み返した教科書

コーチング

こんにちは

時間の使い方って教わったことありますか?

小学校から時間割があって、次々に授業が入っている。
思い浮かぶのはこんなくらい。
決まった時間に決まったことをしよう
という習慣づけを教わっている感じ。

でも学生が終わって、そんなことも言ってられない状況に
すぐなりますよね。

とにかく忙しすぎて何もできない。
こんな時間の使い方もったいない
ドラえもんの時間貯金箱が欲しい。

仕事でもプライベートでも、
あれやりたいけど、目の前のこれやらなきゃ、とか
なんでこのタイミングでこんなことになるのか?とか

世の中不公平なものが数多のものがあふれていますが、
時間だけは誰に同じように流れている。
でもそれは本当?
いい使い方ができてる人はいるに違いない。

そんな会社員時代、時間がいくらあっても足りない
といった行き詰まり感を感じていた時に
出会った本がこれです。

「時間の教科書」 おちまさとプロデュース

2006年出版なので多分このころに読んだ本の一つですが、
未だ読み返すことがあります。

システム手帳はじめ、なかなか習慣づかない仕事効率化で、
いいやり方がないかなあと思ってた頃
そうか手法じゃなくて時間の使い方だ、と気づかせてくれた
私にはインパクトのあった本ですね。

コーチングでは、
ゴールは複数持とうと、いつも言ってますが、
その大きな項目の中に、職業、趣味、お金などに並んで、
私は”時間”というゴールも設定しています。

そういうゴールもありですね、
と他のコーチにも言われることがあるのですが、
これが入っているのはこの本のおかげかもしれません。

今では時間の使い方とか一般的に情報あふれてますが、
時代が移っても私には大事な一冊です。

著者のおちまさと氏はテレビの構成作家とか
プロデューサーが肩書みたいですね。
今もそうかもしれませんが、
売れっ子と言ってもいい忙しい身。
今は大御所ですかね。

帯に書かれている
「おちさんは1日48時間生きている」
の源泉となる時間使いの達人でもある人の本です。

教科書と書かれているだけあって、
練習問題とか応用問題も入っていて楽しめる
時間の使い方を教わるにはちょうどいい感じです。

 

まず、この教科書でいう時間とは、
自分の使える持ち時間、
つまり
“残り寿命 マイナス 自分の年齢”
としています。
そう、時間は限られているので、
大事に使おうというお話です。

なので、5分でできることを5分かけて実行するのは
工夫もなにもないので、
時間がもったいないキャンペーンをやって
時間をコントロールしよう、という話になります。

一番もったいない時間の使い方は
エレベーターの階数表示を眺めているだけの時間
と書いてあって、そこまでかあと身につまされます。

 

基本のこのキャンペーンの構成は、3つ。

それは時間を、

巻く―かける時間を減らす。

歪める―自分の都合のいいように流れを変える

倍使う―巻いて歪める、の掛け算


というもの。

 

このためにはまず、自分の規制を外すことが必要。
いい例で面白いのが応用問題。

ここから遠くに行くまでどのくらい時間がかかるか?
速さ時速〇〇キロ、距離はここからここまでのXX倍など、
乗り物の速さとか、距離を概算できる細かい情報は
与えられています。
制限時間2分。さあどうぞ。

巻末にある答えを見ると、
何日くらいと正解が書かれていますが、
肝はこの後。

この模範解答を見て答えを書き写す
そういう答え方に行きついたか?

そうこれが一番早い回答。
時間の効率的な使い方の大きなヒントです。

この問題忘れたころに何度もやってるはずですが、
いつも計算を始めようとしてしまう。

ズルと言えばそうなんですが、
じゃあ誰に悪いの?という話です。
なかなか時間に対する固定概念から
外れられない自分を顧みる
いい問題ですね。

あらためて表紙を見ると、
おちまさと著ではなくプロデュース
「おちまさとプロデュース 時間の教科書」を作る会・編
とありますが、ここら辺もうまく時間を使って
この本を作った結果なのか、
とまで考えさせられました。

 

目標をもって実行するという話では
大胆なポジティブ・プランニングと
繊細なネガティブ・シュミレーション
の使い分けについて。

ポジティブ・プランニングはいわゆる目標。
できるを大前提に仕事を引き受ける話で、
例えていえばドラえもんの未来の道具を使ったら
あれもできる、これもできるという感じ。

ネガティブ・シュミレーションでは
最悪も想定して、では今、何ができるか
時間も細かく想定する。

目標達成の基本みたいな話ですが、
時間の使い方にも使える。

以前紹介したアイデア大全の中のディズニーの部屋。
夢想家がポジティブ・プランニングで、
ネガティブ・シュミレーションは
実務家+批評家みたいなものですね。

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実務面ではタイムプライオリティの話も。
単に優先順位という訳ではなく、
その作業にかかる時間というかスピードを考慮に入れて
進めるということ。
電車を例に挙げて、特急、急行、快速、普通、トロッコ
といったように、仕事は複数の作業で成り立っていて、
その作業によってかかる時間が違う。

効率よく進めるにはこれを想定して、
すべて同じ時間に終わるようにスケジューリングする
というもの。

 

これはよく考えれば
MOT(Management of Technology)の中の一部で
多分MBAコースの科目にもある内容。
平易な言葉で的確に書かれています。

ざっと紹介してみましたが、
さすが構成作家プロデュースだけあって
コラムとか、何気に書かれた注釈が面白い。

内容的には古いものですし、
今は、もっと高度な内容の本も
出ているかと思いますが、
こういった本を読んだことがないなら
初めの一冊には悪くないかなと思います。

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