逆説の日本史 徳川綱吉から学ぶ、歴史と常識はいつまでも同じじゃない

書評・番組紹介

こんにちは

世の中知らないことはやっぱり多く、
学びってのは際限がないんだなあ
と思う今日この頃です。

そんな話を一つ。

私は井沢元彦さんの逆説の日本史 が好きで
よく読んでます。

このシリーズは、日本史を時代の流れの中で読み解き、
これの流れを無視して資料だけを重んじる
歴史学者の伝える歴史に、
ホントにそうなの?
と疑問を投げかけるものです。
今の歴史で評判が悪かった人物が、実は。。。。

歴史好きの私には、そういう見方があるのか、
という視点が増えて
歴史をもっと好きにさせてくれた本です。

知り合いの社会の先生もこれを読んでいたので、
こういう視点で生徒に話すことあるの?
と聞いたことがあるのですが、
授業では触れられないとのこと。

教育課程の壁が厚いんでしょうね。
授業レベルでは
正統派の歴史とは認められてないようです。

そんな中の話を1つ2つ。

徳川綱吉ってご存知ですよね。
1680年に江戸幕府5代将軍になった方です。


我々世代以前では、
人よりも犬の命が大事とされた、
天下の悪法と言われる
かの有名な生類憐みの令を発した、
犬公方として有名な将軍です。

非常に評判の悪い将軍なのですが、
最近は再評価が始まっていて、
実はかなり精力的に改革を進め、
大きな歴史転換点を作った
といわれ始めています。

結構な改革で、
当時の旗本の5人に一人を
職務怠慢で処罰するなど、
徳川の世になって
だらけ切った綱紀の粛正を行い、
後の吉宗の改革のお手本とされる
政策を実行していったそうです。

で、問題の生類憐みの令は、
極端な政策だったかもしれないですが、

関ヶ原以来、
戦争がなくなり80年経ち、
切り捨て御免の戦国時代を
やっと完全に終わらせ、
命を大切にする気風を定着させた政策、
とも見れるとのこと。

命の重さに対する、
今の日本人の基本的な考えが、
つまり命の常識が、
ここの時点で切り替わったといわれます。

ただ、先進的な、
いわゆる保守派を一掃するような政策をした人は、
政策が定着しなかった場合、
退陣や退任後にはその政策が一掃され、
悪評だけが残される。

有名どころでは平将門、織田信長、井伊直弼などあげられますが
綱吉もそのうちの一人だったということでしょうか。

信長は延暦寺を焼き討ちしたり、
一向一揆を弾圧して悪評は立っていますが
武装解除させただけで信仰自体はやめさせていない。
世界的にもまれな宗教と武力の分離に成功しています。


この分離は日本の常識ですが、世界では非常識。

残念ながら、
日本人が宗教がらみの戦争を
本質的に理解できない原因を作った
と言われてしまいますが、
当時の国内の安定には
一役も一役も買っています。

歴史の解釈や見方は、
最近特に変化しているように見えます。

でもそれは、いろいろな資料が発見されたり、
当然、新しい意味が見いだされることもあるので、
本来は当たりまえのことじゃないですかね。

今われわれの生活で
常識と思っていることは
環境が変われば非常識にもなる
危うい世界であることを
とてもよく感じます。

鎌倉幕府できたのが、
いい国作ろう(1192年)じゃなくなってますからね。

見る立場によって、いい/悪いが180度違いますし、
当然、この真反対の立場だけではないですしね。

頭固く、古い考えにばかり固執しても
なんか面白くないですね。

揚げ足、いや別角度で物事を見ることはやっぱり大切なんだろうな
と思う日でした。

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