星新一 空への門 ゴールと目的と目標の実例が昔読んだ小説にあった

コーチング

こんにちは

星新一さんってご存知でしょうか。
短編小説、いわゆるショートショートの小説家であり、SF作家。
公式には作品数1001篇以上とされてますが、
この数字は千夜一夜物語をオマージュしているらしく、
実際はこれより多いみたいです。

物事を皮肉に斜めに見た不思議な世界の描写が好きで
4,5ページの短編なので、子供でも読めます。
年の離れたいとこが結婚するので、はい、
と預けられた文庫本の山の中で、小学生の私に読めるのは
このシリーズしかなかったということも運のツキですね。

それにしても小学校5,6年生には、インパクトが大きく、
おかげさまで、すっかり物事斜めから見ることになってしまい、
よかったんだか、ダメなのか?
まあ、それくらい私にはインパクトのある作家さんですね。

そんな中の作品を1つ紹介したいのですが、
ネタバレなのでご容赦ください。

ようこそ地球さん 星新一著

の中の「空への門」のストーリーです。

 

ある少年が宇宙に行きたいと思い
宇宙飛行士を目指しました。


ご存知の通り宇宙飛行士は
勉強も運動もできないといけない。
いわゆるエリートである必要があるんですが、
他の事をすべて捨て、地道に努力を続け、
その道の大学の学科に進学します。

自分は努力した結果だと自信もありましたし、
自分のようになれない人は努力が足りないからだ、
と周りを見下す目も。

いよいよ宇宙飛行士により近づく大学の卒業論文発表会。
中学時代の友人で、
中学1年生の運動会で、主人公が1等になった時、
びりだったさえない友人が壇上でしゃべっていました。


その内容が、ロケット技術について。
途中でしたが、まあ、最後くらいは聞いてやろうと
座ってみます。
「・・・・・・という理論で制作される宇宙船は、
いままでのように、特殊な能力を持っていない、
どんな平凡な人でも操作運転できます。」

そう、エリート君のこれまでの努力が無駄になりそう
そんなところでこの話は終わっています。

 

いかがですか?
昨日の目標、目的、ゴールの関係を説明するのに
これがいい例なんですね。

ゴールと目的と目標 この違いが判るととやるべきことがわかる
こんにちは 今回は語句を考えてみます。 考えをこねくり回してるだけと思われたら申し訳ない。 でも、言葉一つ一つも考えながら使ってるつもりなので、 それはご容赦を。 ゴール、目的、目標って? コーチングではゴール、ゴール、ゴー...

エリート君の目標は宇宙パイロットになること。
目的は宇宙に飛び出したいから。
それがタイトルの「空への門」という感じでしょうか。
ゴールは特に記述はないですが、
宇宙で生活したいとかなんでしょうかね。

さえない君は、運動はできなそうなので、
早くからパイロットの夢は捨てたのかもしれません。
でも宇宙に行きたいという目的は持ち続けていた。
そして研究で、自分でも宇宙に行けるロケット開発の
基礎ができて「空への門」までもう一歩。

両名とも並々ならぬ努力はしたと思いますが、
ゴールは宇宙。でもアプローチは全く違う。

コーチングで目指すものは
どちらがいい、という話ではなくて、
ゴールがあればやり方も違うし、
目的や目指すべき目標も違うということ。

だから、たまにはその目標が今もゴールのために
役に立つことなのか、考えることも必要で、
なんでも行動はした方がいい
という話で捉えたいです。

情報や技術が、汎用化、陳腐化するスピードが
加速しているように見える今、
エリート君のような人ほど不器用に思えて、
共感できるようになったのも、
歳を重ねたせいでしょうかね。

ゴールそのものについて
よく聞かれるのは、
現実の外にゴールを作れと言っても、
現実にならないし、逆に気も滅入る。
夢のような話じゃなくて、
日々の小さな目標を一歩一歩クリアした方が、
いいんじゃないか?

確かに目標を達成するのはそれが王道です。
でも、その目的やゴールがないと、
いつか地道な努力のはしごが外されると
路頭に迷います。

だから大事なのはゴール。
もちろん目標達成に一生懸命になるべきですが、
その目的は?、ゴールは?
その視点で見ると、
一つの目標の効力が不幸にしてなくなっても、
別な選択肢がいくつも見える。

そういった抽象度を上げてみるための指標が
ゴールになります。

さえない君は、宇宙を目指したけど
パイロットにはなれそうもない。
じゃあ、どうしたらいいか?
そうか!優秀なパイロットじゃなくても乗れる
ロケットを作ればいいじゃないか。

抽象度高いゴールとしては同じ宇宙にある。
卑下することもなく、地道に努力を続ければいい。
だって好きなゴールなんだから。

小さい時から優秀で有名大学に入って銀行員。
今では銀行はリストラのあらしで、
優秀な人材の無駄遣いなんて話はよく聞きます。

これはあくまで目標は達成していますよね。
立派に銀行員になれたんですから。
中にはほとんど努力しなくても入れる人はいますが、
ふつうはどこかの時点でかなりの努力。

この先こう続けていけば、
その延長線はそれはほぼ確定している現実です。
だってやり方も判ってるんだから。

でも、大抵のやりたいことはそんな現実の外に
あったりします。


そこで必要なのはそんな現実の外からの目。

夢をそのまま叶わないものと見ないで、
ゴールにしてみる。
大人になってて経験も積んでるので、
夢見てた頃とは違うものも見えるはず。
意外と近くの現実だったりすることもあります。

現実の外から今を見ることで、
何が今の現実か、はっきりすることもありますね。

いろんなものを見せてくれる。
それが現実の外のゴール、と言ってもいいかもしれません。
やっぱり本当の意味でのゴールはあった方がいい
というお話でした。

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