こんにちは
あなたの身近に百科事典ってありましたか?
読みもしないのに本棚にドーンと置かれて
すっかり家の中のオブジェとなっていましたが、
昔はそういう光景が多くの家で見かけた気がします。
今ではそんな場所とるもの買おうとも思いませんし、
本にしている間に情報が古くなっていく昨今、
情報だけでいえばスマホでも十分です。
うちの実家にも多分置かれたままです。
でも、なかなか捨てるという発想にはならないでしょう。
私が本を処分できないのはこういったルーツがあるからかも
と言い訳させてください。
スマホもあるので、百科事典という役割は
もうほとんどないとは思いますが、
体系的に情報をまとめるという点においては
まだまだ本の役割はあるのではと思っています。
特にパラパラと、ページをまくっていて
あれ?これは!
というのは、スマホとかPC含めて
電子機器ではなかなか経験できていません。
デジタルネイティブではない
私の限界点なのかもしれませんが、
自分にあったやり方はあるものです。
今朝本棚をボーっと眺めていたら
目に入ってきたのが表題の
アイデア大全 読書猿著 フォレスト出版
著者の読書猿さんは正体不明の読書家で、
読書猿というのはブログ名で
これをペンネームにしたらしい。
名前の通り、猿のように本を読み漁っているが
あくまで浅学という自嘲気味の
ネーミングだともあります。
まあ要するにたくさん本を読んでいる中から
アイデア出しという観点でまとめた本ということです。
副題は想像力とブレイクスルーを生み出す42のツール
ということで、42のツールが
335ページの中に詰め込まれています。
1つにつき6から10ページくらいなので、
特に通読することもなく、
目次見てとか、それこそぱっと見開いて
気になったツールが使えるかという観点で
見ることは多いです。
まさに百科事典と同じような使い方。
まあ確かに、聞いたことがあるような手法もありますが、
ここまでの数が網羅されていることがありがたい。
各項目の構成は
タイトル(著者紹介、難易度、用途など)
レシピ(やり方)
サンプル(例示)
レビュー(使ってみた感想)
完結にまとめられていて便利です。
これだけあれば、状況や知識によって
その場その場であったやり方も見つかりますね。
もう少し早く、研究者をやってるときに
出会いたかった本の一つではあります。
感想ばかりでも何なので、いくつか紹介します。
06 ランダム刺激
偶然をてこに、枠を超える最古の創造技法
1.問題とは無関係な刺激を選ぶ
2.刺激を受け取る
3.刺激と問題を結び付けて、自由に連想する。
4.1から3を繰り返す
例としてはニュートンのリンゴ。
リンゴが落ちるのを見て万有引力を発見したという話で、
真偽はともかく、以下の感じで刺激を受けたとのこと。
月みたいな天体は、身近な動きと違う力が働いている。
それは何だろう?がニュートンの研究のテーマ。
たまたまリンゴが落ちたところを目撃。
これがランダム刺激になる。
月に対しても同じ力が働くとしたらと、計算、実験。
この結果万有引力を発見したという話。
リンゴの落下は研究には直接関係ないが、
この刺激が大発見のきっかけになった。
考えていることと関係ない事柄も、観察すると
役に立つこともあるというお話。
21 ディズニーの3つの部屋
夢想家ミッキー、
批評家ドナルドダックで
夢想を成功に結びつける。
1. 紙に二本線を引いて3列に分ける。
2. それぞれの上に夢想家、実務家、批評家と書く。
3. 夢想家(何でもあり)の欄には欲しいものは何?
自分を興奮させるものは?
もし魔法が使えたら何をする?
これを使って何が手に入る?
4.実務家(実現可能であるかのように行動)は、
夢想家のアイデアに対して答えを書く。
実際どのように使うか?アクションプランは?
どのように評価するか?必要なものは?
5.批評家(問題点を考える)は、実務家のアイデアに対して
問題を考える。これのまずいところは?どんな失敗があるか?
出来ない理由。弱点。などなど。
ドレイクに関してはこんなのいたっけ?
といった感じですが、ドナルドの親戚らしいです。
ディズニーはこの3者思考のため、
それぞれ別部屋で会議を行っていたようです。
この3者の会議室を1枚の紙に表わすのがこの手法。
ビッグサンダー・マウンテンも
こうやって生まれたんでしょうね。
36 源内の呪術的コピーライティング
世にまじないの種は尽きまじ
パワフルな比喩表現を作ることと新しい呪術を創案する。
1. 使えそうな既存呪術を探す。
2. 新し要素を追加、あるいは古い要素と入れ替える。
3. 由来をねつ造する。
これは土用の丑の日にはウナギを食べようという
当時コピーライターとして一流だった平賀源内が
ウナギ屋からの依頼で作った、成功した手法です。
音の類似性というか韻を踏んでる感じがいいのか?
なんかしら由来もねつ造したんでしょうね。
元々丑の日は薬湯に入ったり、うなぎだけでなく
どじょうやウリ、梅干しなど”う”のつく食べ物を
食べる習慣があったものを、
ウナギの一人勝ちにしたくらいパワフルなもの。
この手法は今でも健在で、カツを食べて勝つ、とか
カール食べてうかーるとか、
キットカットできっと勝つなど
ダジャレ的なゲン担ぎにもつながる手法とのこと。
呪術というには大げさかもしれませんが、
なんか効きそうな気がします。
ニュートンのリンゴとディズニーの話は
たまに使いますし、呪術に関しては
これからなにか使えないか模索中という感じです。
中途半端に紹介してしまいましたが、
他にもいろいろアイデアの出し方、
捻り方も紹介されてますので、
ご興味あればいかがでしょうか?