こんにちは。
コーチングでは脳科学を根拠に
こうすればいいとか、ああすればいいとか
解説した本を参考にすることも多くなっています。
コーチングという言葉を使わなくても、
目標達成とか夢をかなえるとか。
学者の誰誰が研究の結果こう言った、
とか書かれていると信用度は増しますし、
それなりに納得できるものです。
で、今回は書評なんですが、
その脳の機能をフルに使って夢をかなえよう
という内容になります。
この本は
ブレイン・プログラミング サンマーク出版 2017年
アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズの夫婦の共著です。
この夫婦けっこうなべストセラー作家で、
2000年に出版された
「話を聞かない男、地図の読めない女」
の作者です。
名前くらい聞いたことありませんかね?
当時は、中身を読まなくても、タイトルだけで、
みんな納得といった雰囲気がありました。
ここでのテーマはRAS(らす)という脳の機能を
フルに活用して夢をかなえるといったもの。
この機能は1949年ころから学術的に発見、
研究が始まったようなので、
それほど新しい発見ではないのですが、
目標達成にも使えるぞという気づきもあり
コーチング界隈で利用しだされ、
私がコーチングを勉強し始めた2012年ころには
既に認知はされていましたが、
一般には出回っていなかった感じ。
おそらくこの本が売れて、
一般的な用語になりつつあるんじゃないか?
と予想します。
コーチングとは別のセミナーに参加した時に
思い切り説明されている場合もありますので、
一般的にも、なんとなく聞いたことがあっても
いいかもしれませんね
簡単に説明すると、このRASの機能は
自分に生きていく上で重要と思われる物事に
注目させることで、脳内の情報の仕分けをする
システムになります。
原始のころ、人が生きていくために
獲物が見つかりやすくするために、
危険なモノには近づかないように、
必要な機能で、我々のDNAに刻まれています。
ただ、RASが活発に働きすぎると、
危険をより多く感じやすくなって、
内向的な人になりやすいなど、
性格にもかなり影響を与えます。
人っていうのは案外、自分の必要じゃないものは
見てないもので、
それを認識しないと目の前にあっても気づかない。
鍵を探すにしても、鍵がない、ない、と思って探すよりも
鍵がある、ある、と思って探すと意外と簡単に
見つかるようなものです。
これを目標達成に応用すると
カーナビのように、目標をインプットすると、
目的地まで迷うことなく行ける
という形で使えます。
さて、本書の目標達成の中身ですが、
このRASをうまく使っていくことで
組み立てていきます。
このためには自分の望みを
はっきりさせることが必要なんですが、
これに気付かない人が多い。
どのくらい大変かというと、
出てきたスパゲッティの一本の先端を探すようなもの
と比喩されてます。
すみません。これはつけ麺でした。
これを見つけるために手書きでメモをかいて、
目標のリストを作りいつも眺めること。
そこでRASが働くので、いろいろ気付いて
行動が変わる。ただ、
リスト内の項目の重要度も変わっていくので
そのたびに更新していく。
ここに書かれていた夢のかなえ方は
大雑把に説明するとこんな感じです。
もっと事細かくやり方も書かれているので
ご興味あれば読んでみてください。
副題の、自動的に夢がかなっていく、に関しては
自然と、夢に対してやることが見つかる
と考えればいいいと思いますので、
勝手に誰かがやってくれるという訳ではない
ことは賢明な読者ならお分かりでしょう。
目標や、やりたいことに関して
印象に残った記述もあるので紹介しておきます。
Crisisは日本語では危機。
危の文字はトラブル、
機の文字はチャンスを表します。
そう、この言葉はチャンスも含んでいるので、
ここはRASの働き次第で、
都合のいい方に意識をもっていけば
チャンス=好機をつかめるということです。
この本は訳本なので、訳者がわかりやすくするように
日本語になぞらえて加えた一説と想像するのですが、
本編通じてこの思想はありますので
ただのでっち上げではないと思います。
これと重複しますが出典不詳のこんな記述が。
人生はジェットコースターのようなもの
がくんと揺れるたびに泣き叫ぶ人もいれば
バンザイとばかりに両手をあげて喜ぶ人もいる
これもRASで見させられている”自身の現実”
の違いが表れている一節かと思います。
この本の内容は
私の扱っているコーチングと
類似しているところがあり
参考になる面も多いです。
本というメディアの都合なんでしょうが
型にはめるような記述が多いので、
思想が近い分、これは誤解を生むなとか
違った説明がいいんじゃないと思ったりしますが
それはそれ。内容としてはお勧めできます。
実は、
この本は立ち読みしていて、
内容は大体判っていましたが
手元にあってもいいなと思い古本で購入しました。
アンダーラインが引いてあったので
やられたあ、と思ったのですが、65ページの
好きなことを見つけよう
もう1日たりとも無意味な仕事に人生を費やすことはできない。
のくだり以来、終わりの400ページまで
アンダーラインはなし。
ここで満足したのか、飽きたのか?
手放したということは、どっちかといえば。。。。
本との付き合い方はいろいろあるみたいですね。
今回は、自動的に夢はかなうのか考えながら、
本の解説をしてみました。