こんにちは
先日、ライティングに関するセミナーに参加してきました。
モノを書くとはどういうことか?
因数分解というか、いくつかの要素に分けて考えられることや、
読者の反応レベルに対して、どういうアクションをとるべきか
読者に合わせたライティングの方向性の話など、
これが聞けただけでも参加した甲斐はあったと思います。
文書を書いて伝えるには思いだけでは成り立たず、
伝わる文書を書くために自分を振り返ることも必要、
と、それがこのセミナーで受け取ったことです。
話は全く変わって、写真は
昔夜中の通販で買った、
“ちきりや”というメーカーのTシャツ。
20年以上前に入手したものです。
この柄はプリントでなくて染め。
日本の伝統の技をカジュアルに
というコンセプトだったと思います。
さすが染だけあって
未だ色褪せもほとんどなくて
日本文化のすごさを感じます。
シャツとしても程度がよく、
最近ではほとんど見かけなくなった
脇に縫い目のないタイプ。
筒状の布に袖と首部分を付けています。
つくるのが大変なんでしょうかね。
一時はこういうTシャツばかりだった頃もありましたが、
作る職人さんが、もういないのか、
作り方のトレンドが変わっただけなのか、
知る由もありません。
私は子どものころからテレビっ子で
宵っ張りな私は夜中のテレビ番組が大好き。
自宅から通っていた大学のころは、
自分の6畳の部屋に対して大きすぎる
28インチのブラウン管の
大きなモニターテレビを置いて
遊んで帰った夜中にテレビやビデオを見る習慣が
できてましたね。
一人暮らしを始めたころから、
更に拍車がかかったような。
そんなところで、このTシャツと出会ったのが、
ちょうどバブル景気の終わったとされる
学生から会社員になったころ、
夜中のテレビ通販番組が今ほど多くはないころ。
取り扱っている商品は、
品数少ない限定、
職人の伝統の技とか、
この国のここだけでしか作れないとか、
こんなに昔からあったいいもの発見とか、
個性的なものが多く、
時期としてはこだわりや物語を売る、
というマーケティング手法が始まったころだったと思います。
夜中に思考力が落ちてきたところを
感情であおるという巧妙さに負けて、
給料をもらう生活と相まって、
いろんなものを買った気がします。
今の通販は、どこよりもお得とか、
今だけの値段、これがないと大変
といったマーケティングに変わっていますが、
買い物にロマンをあおるような時代の方が
よかったなあと個人的には思います。
そんな中で私にも職人の思い入れもあるこのTシャツが、
20年以上も手元にあることに感慨深く思います。
検索したら、このメーカー”ちきりや”は
まだタグのロゴもそのままで、
和柄のブランドとして健在なようで、嬉しいです。
形として長く残るものを作る
というのは私みたいな理系の人にとって
は大事にしたいところ。
脳科学では、
ものを持ったり作ったりするのは
難しい言葉で、”身体性の延長”だそうで、
自分の体の一部が所有しているモノ
として現れたということ。
モノが捨てられないというか、
捨てたくないという性向は
この点が強いから。
捨てることは自分の身を切られる
と同義ということなんですね。
昔を懐かしんでいるだけなんでしょうかね。
Tシャツ1枚にこの思い込み。
なかなか人には理解されないですよね。
話また変わって、これは結構最近の話。
テレビで断捨離の番組を見ていて、
印象的だった話が。
奥さんが断捨離という
新しい価値観を得て、いきなり旦那さんに
持ってるもの7割減らすから!と宣言。
いきなりの展開に戸惑う旦那さんとは
当然折り合いがつかず。
うかなかうまくいかないと嘆き、
泣き出す奥さん。
そこで、断捨離の先生登場。
当然味方と思い、
夫が協力してくれないからうまくいかないと、
奥さんは先生に訴えますが、
先生には逆にあなたが悪いと叱られる。
あなたのやっているのはただの
自分価値観の押し付け。
そんなでうまくいくはずもない、という話。
確か、旦那さんにも理解してもらって、
ちょっとづつ断捨離が進んでいった、
で番組は終わったと思います。
要らないモノなら捨てなさい、
は、頭では理解できるんですが、
なかなか理解できない。
困ったものです。
物を欲しがらない今の30代以下の方たちとか、
とにかく部屋を片付けたい人から見たら
無駄なことと思われると思いますが、
こういう無駄が面白んだよなあと
こういう考えもあるということは知っておいて
欲しいものです。
おじさんの希望ですが。
ものを持つのも捨てるのも
どちらも思い込みのなせる業。
文書を書くときも自分の価値観の押し付けでは
人には伝わらないとよく言われます。
ライティングのセミナーと、
昔の思い入れのあるTシャツ、
断捨離妻の話は
うまくつながったでしょうか?
コーチングのセッション中に、
思い込みがないと行動はできないが
それを人に伝えるには押し付ける必要はあるのか?
という話は良くします。
自分がやりたい事なんだから、
人に押し付ける必要ないですよね。
協力ありきじゃなくてなくて、
まず自分ができることから動く。
そうすると本当に必要なら
共感して協力してもらう人も見えてる。
そしていろいろな人とつながっていく。
そんな感じです。
こんな話を考えながら、
思い込みのないものも溜まっている
散らかった部屋にいると、
そろそろ片付けなくては
と思う今日この頃です。