書評 9マスで悩まず書ける文章術 山口拓朗 文書の書き方って何?

書評・番組紹介

こんにちは

今回は山口拓郎さんの出版セミナーがあり、
書評も込みでレビューします。

著者の通称やまやくさんは
文書作成を教えたりして、何冊も本を出版しています。

元々編集者だったのですが、このなりたてのころから、
その環境の必要性もあり、
効率のいい読まれる文章の書き方を
探求されていて、

まずは上司にほとんど読まれないで
突き返される日常から、
読んでもらえる文章へ、

読まれても、
真っ赤に添削されて帰ってくるので、
訂正の入らない文章へと

試行錯誤の中今の作文力をつけて
今でも学び続けているとの事。

同じ時間を読者の方に強いることもできないので、
その試行錯誤の中で
かなりのインパクトがあった
9マスを利用する方法について書かれたのが、
”9マスで悩まず書ける文章術”

とのこと。そんな前振りで
セミナーは始まりました。

9マスというのは、ナインマトリックスとも言われ、
習慣化の専門家である、佐藤伝さんが推奨しているもので、
具体的には、3×3の9マスを用意して、
その真ん中にテーマを書きます。
そして、周辺の8つのブランクのマスに、
中央のテーマに沿った回答を埋めるというのが、
基本的な考え方です。

<参考>COMPASS 第43条  【 たかがメモ・されどメモ・9マスメモ 】

構成は大きく分けて3つで、
悩まず書ける方法は、
1.アンテナを立てる。
2.情報の洗い出し
3.インタビューする
の3つの段階を経ること。
これで文章の出来上がりです。

ま、これだけでわかったら
この本を読み込んでいる
ということですね。

順に説明します。

1のアンテナを立てるというのは、
情報に興味をもって集めること。
脳科学的にも、心理学的にも
目的/ターゲットを持たないと
見えない=情報が入ってこない
ということが知られています。

集めようとしなくても、
興味があればスムーズに
自然に欲しかった情報が入ってくる。
逆に興味を持たないと入ってこない。
文章が書けるというのは
まずは情報、ネタ元があるから
ということです。

この情報収集に9マスは有効。
真ん中に興味の対象を入れて
周りにその要素を入れていく。
始めは思いつかなくても、空欄にしておくと
なぜか埋めたくなるこの不思議。
いずれは埋まっていきます。

大谷選手の学生のころこの9マスを作っていて、
ドラフト1位で8球団から指名を受けることで始まり,
大きく展開してました。

2について、
そもそもインタビューというものは
相手に質問して返ってくるもの。
質問によっては、
あっさりした答えの時もあるけど、
長―く答えてくれるものもある。
前者は基本質問で、
後者はスコップ(深堀り)質問。

どちらも大事だが、皆が興味のあることは
深堀した質問から返ってくる答え。
どうして?どうやって?などなど

文章も同じで、読みたいと思う内容は
これから引き出される答え。
文章の中にこういった質問の答えがあると
読みたくなる。

 

ヤマタクさん曰く、
あまり気づきにくいが、
文章を書くのは自問自答の連続という話。
これがうまくできていると
興味の引く文書が書けるとのこと。

本にもありますが、7W3Hの意識ですね。
いわゆる5W1Hに加えて、
誰のために?どっち?
いくつ?どんなくらい?
が加わったもの。

私としては、
本やこのセミナーで
一番インパクトがあった内容で
こう考えると、質問=自問の幅が広がって、
文章も伝えやすくなる気がしてきました。

3の情報の洗い出しに関しては、
読んでもらう対象の人の利益になっているか?
という視点で情報を取捨選択して
精査していくということ。
読む人は欲しい情報が足りないと
気落ち悪いと感じて興味を失うので、
これは欠かせないということ。

最後の質問会で、文書を削るポイントは何?
というものがありましたが、
テクニックとしては
先に1/3削るつもりで多めに書くこと
を挙げられてました。
これに慣れてくると、
無駄な文章は書かなくなっていくとのこと。


本質的なところでは、
書き手本位と読み手本位の内容があるはずなので、
読み手向けの内容を残す、は文書を削るいい基準になる。
文書作成は読み手とのコミュニケーションなので、
当たり前といえば当たり前なんですが
とも付け加えています。

編集者の大島永理乃さんが審査員で
悩まず書ける9マス作文コンテストが行われて、
あなたがおすすめしたいものは何ですか?とテーマに
行われました。
まずは、始めに9マスで順に自問自答して答えを書く。
これを4分で終わらせて、

結論の、
私は○○をオススメします。
で始まる文章の作成に8分。
時間を意識して書くことも必要とのことで、
制限時間内に文章を完成させるというモノ。

セミナー終盤でやったワークですが、
ヤマタクさんのパートが終わるころには
30人以上はいた参加者さんの原稿を
読み切って評価するところは
さすがプロの編集者。

3名が表彰されましたが、
それぞれ、興味を持たせてくれて、
行動したくなる内容でした。

評価の基準は
新しい発見があったか?
読む人の想像力を掻き立てるか?
文章がスムーズか?
内容が面白いか?
の4点とのこと。

あとで聞いたのですが、
この4点は編集者なら
これ、とは決めていなくても
文章に触れる時には無意識に
気にしているとのこと。

この中では
想像力を掻き立てる、のところが
特に弱いかなと思い、自分の課題発見。
参加してよかったです。

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