書評 EQこころの知能指数 ダニエルゴールマン その2 鍛え方と実例

書評・番組紹介

人の能力はIQではわからない。
人生で成功するために必要なのはEQだ。

帯に書かれている言葉ですが
冷静に考えれば、
この一言でまとめても良かったのが
前回の記事。

書評が一回に収まらなかったのでその続きになります。

「EQ こころの知能指数」

ダニエル・ゴールマン著

 

EQは感情をうまくコントロールできるかの指標。
心の動揺は知的活動の妨げになります。
その理由はワーキングメモリ―が小さくなってしまうから。

IQを保つためには
EQがあってこそ、
と、まとめてもいいでしょうかね。

そんな、昨日の記事はこれ。

書評 EQこころの知能指数 ダニエルゴールマン 頭がいい指標とは
頭がいいって何なんでしょうね? テストでいつも100点、 打てば響くような頭の回転の速さ、 何をやってもいい成績。 あの人はIQ高いから。。。 そう、頭の良さを測る目安にIQがありますよね。 あの人はIQ高いので仕事...

 

では、
そんなEQを鍛えるにはどうしたらいいか?

EQでコントロールすべき情動が
どのように行動に移るか
知るところから始めてます。

それは、
自分の行動を観察してみようという話。

感情は2つのレベルがあって、

まずは、何か出来事があって、
無意識に感じるだけで、表には現れない。

次に、知性で情報処理してから
意識として現れるみたい。

なので、対応できるのは表にあらわれてから。

怒りの場面に出くわすと、
頭の中でぐるぐる増幅しながら
この情動は大きくなっていく。

ここで絶対やってはいけないのは、
怒りのままに、物や人にあたること。

一時的にストレスは発散されますが、
行動に移したことで、
更に情動記憶が残り、
さらに増幅され、
いわゆる切れやすい頭になっていきます。
これは不安がきっかけでも同じこと。

だから情動のコントロールは大事。
なるべく早い段階
意識に上がったか上がらないかの時に
コントロールする方法があると
心穏やかになって、
安定して頭がいい状態でいられます。

対処法は
①まずは怒りや不安のきっかけを知る

②思い込みを批判的に見直す

この2つを心がけることでしょうか。

怒りや不安は、どんなものでも遭遇した時に
自動思考してる、
つまり反射的に、
毎回、同じように感じて
同じように対処をしています。

そう、あくまで仮定の、
想像に振り回されてることが多いとのこと。

この本の情報ではないですが、
怒りの感情が爆発するには、
多分、5秒くらいは時間がかかるので、
そのうちにこの処理ができるといいみたいです。

これらは怒りのコントロールだけでなく、
やりたくないコトや、
やりたいコトなど
感情のコントロールに応用できます。

面白く感じた例で、
正義の心情はどこから来るのか?

それは、仕返しや復讐の感情と同じ ???

この説明は、
自分は正義の心を持っているのに、
不実は許せない。仕返しにお仕置きしてやろう。
こういう話みたいです。
身につまされます。

正義の心を感じたら、
ホントの正義か仕返しなのか
ネガティブな感情がないか
確認してみるのも
一つの手ですね。

 

では、EQはどんな場面で
発揮されるのか?

社会的知性という言葉を使ってるんですが、
これは、
いかに複数の人数の中でうまく活動するか
と言い換えてもいいですが、
こういったところがEQが発揮される場面。
感じる知性ということです。

具体的には、
組織力、交渉力、連帯力、分析力
などありますが、

これらは暗黙のルールから学ばなくてはいけない

社会的器用さ、感じる知性、EQの高さが
ハッキリと出てしまいますね。

だってそんなルールどこにも書かれてないじゃん!
という理屈は通じないんですね。
ここが人の感情の難しいところ。

ルール作りはIQに任せて、
EQは観察して、感じ取る。
これしかないんでしょうね。

もしかしたら、
日本人には文化的に生来備わっていて、
得意な能力なのかもしれません。
会得するには気の長い話ですが。。。。

そんな社会の中で、
感情の表への出し方には3種類あって、

①最小限
②大げさ
③別の感情で表現

これを適切な場面で如何にうまく使えるか。
これがEQの要素。

抑えすぎるとストレスが溜まって
爆発することがあるので、
ホントの気持ちと社会的知性が
程よく釣り合ってると健全とのことです。

 

では、もっと身近な話題へ。

結婚生活では、男は、大抵、
気の利いた対応ができない、
と思われる奥さんは多いみたいですね。

これは、
男性は感情の大切さを実感しないうちに
結婚することが多いためで、
おそらく結婚して実感することがほとんど。

多くの旦那さんは、
感情が前面に出る場面に出くわすと、
閉じこもってしまう。

 

男女の違いで、チームスポーツのいい例があって、
ゲーム中怪我したら、
男の子は邪魔にならないよう外に出す、出る。
女の子は集まって大丈夫?と世話を焼く。

生来これくらい男女間で対応が違ってて、
女性は、生まれてからずっと
感情面のマネージャーをずっとやっているようなもの。

さらに、女性は小さなグループを作って、
そのグループ内で敵対場面を減らすように
気遣う傾向があるらしいですね。

奥さんの不満は、
家庭という小さな単位で、
自分もやってるんだから、
旦那さんにも同じくらい気遣って欲しい。

でも旦那はそういう気づかいを知らないので、
なぜ怒られているのかわからない
ということですかね。

こんな男と女は違う世界で生きているんだから、
衝突は仕方ない。
お互いというより、若干男性側に対して
EQを育てていきましょうと、
男性の著者は訴えています。

 

このところ才能の話をしてますが、
ここでも1万時間の法則が出てきます。
バイオリンでも、チェスでも、
世界レベルのチャンピオンの練習時間は
1万時間をゆうに超えているという事実。

おそらく1万時間の法則生みの親、
エリクソン博士が最初の論文出したのが1990年。
この出版時の1996年時点では
よく知られた情報だったんでしょうかね。

ここでもEQが関わっているとしています。

物事の達成はやっぱり努力が必要なんですが、
特に勤勉を重要視するアジア文化は
コツコツと熱意や忍耐など、
情動面の強さを生んでいるとのこと。

アジア系アメリカ人の子供は
アングロサクソン系と比べたら
家庭内学習時間は40%も多い。
結果成績もいい。

これができるのは、コツコツやるための
情動のコントロールができているから
と推察しています。

やっぱりEQは才能の総元締め
と言ってもいいのではないでしょうか。

 

雑多な話の集まりになってしまいましたが、
様々な場面でEQを高める必要性があるということですね。

他にも、

適度な不安は必要で、
大きすぎたり、全くない状態では
いい成績が残せないとか、

やりたいことは失敗しても
やり続ける気持ちは必要だとか、

共感すると判り合えるとか、

よく言われていることが
EQにからめて解説されていて

最終的には学校教育に
EQの観点を持ち込むことを
提唱しています。

今、どこまで教育に入り込んでいるかは
不明ですが、
EQの高い人が増えているといいですね。

自分のEQのレベルがどの程度か
数字では表わせないのは残念ですが、
逆に、やさしさレベル○○点を目指せ、
と店数を競わせるのもなんか変な気がしますので、
自己採点していくしかないですかね。

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情動という言葉は見慣れないかもしれませんが、
学問的には、喜怒哀楽と、その結果、
脈拍や発熱など、生理的に表れて計測できる現象も
含まれている、感情の下位概念。
普通に読むには”感情”で置き換えてもいいですかね。
こういう本では情動の方が使われやすいです。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

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