熊野速玉大社と熊野本宮大社と八咫烏 熊野三山後編 関西ドライブ04 

神社

昨年の9月の終わりころに関西方面に旅行に行きました。
せっかくなので旅行記の形で残す、4回目の記事です。

我が家の恒例行事で、年に一度は3,4泊する旅行。
2018年は、那智、奈良、伊勢を巡りました。
県でいえば和歌山、奈良、三重。
一見地味ですが、見どころは満載でした。
訪れたのはは、
八咫烏(やたがらす)の住む熊野三山、
古都奈良、
太古からの神々の住む伊勢。

旅程2日目、午前中は
本来の目的の那智の滝、那智熊野大社を無事に訪れ満足ですが、熊野三山の旅程はまだ続きます。

熊野古道と那智の滝 世界遺産熊野三山 前編 関西ドライブ03
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周ったところはこんな感じ。紀伊半島南部で三重、和歌山、奈良の県境付近。

 

和歌山名物

予定時間を大幅にオーバーしていましたが、
ここで他の2社に行かない選択肢はないですね。

那智の滝を後にして、ちょうどお昼時。
ドライブインがあったので、
休憩がてら食事をとります。

これが本場の味かと言われると怪しいですが、
和歌山ラーメンとマグロカツを注文。

有名店という訳ではないでしょうが、
名物を食べられて、ここでも満足。

次の、熊野速玉大社に向かいました。

熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)

熊野那智大社から南に午前中来た道を
海に向かって、戻る感じ。
食事の時間も入れて1時間もたたないで速玉大社に到着です。
このころにはすっかり雨も上がっていました。

熊野速玉神社は
熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)と
熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の2神、
言い換えると、イザナギノミコトとイザナミノミコトを主祭神として、
熊野の神々を祀っているとのことです。

日本の神様は、いろんな名前で読み替えられるのですが、
速玉はいイザナミの別名みたいですね。

駐車場から鳥居までちょっと歩いて移動。
参拝します。

ここがその拝殿。
右奥の方に末社が並びます。

改修したてのような鮮やかな朱色の建屋でした。
お参りするお社はそれぞれの神様毎いに5箇所あり、
それぞれ参拝。
主祭神の拍手で2拍手目は、
この一連のお参りの中で自分でもびっくりするほどの一番の響きがあり、
自分と何かが共振した瞬間を感じました。

もしかしたら、あの瞬間なにかが降りて来たのかもしれません。

熊野速玉大社は熊野三山の中では比較的小規模で、参拝者もまばら。

という意味で、こういっては失礼ですが、
事前にはそれほど興味深いとは思っていなかったのですが、
一番の親しみを感じる神社になりました。
不思議なものです。
大社と名がつくだけのことはあります。
ちなみに

「神宮」「宮」「大神宮」「大社」「神社」「社」の違いは以下の感じ。

・神宮・・・皇室とゆかりの深い由緒ある神社につけられる。格式はとても高い。
・宮・・・特別の理由を認められた神社につけられる。格式は高い。
・大神宮・・・「大神宮」は伊勢神宮の出張機関というべき、東京大神宮の特別な社号
・大社・・・地域信仰の中核をなす大きな神社を指す社号
・神社・・・最も一般的な神社
・社・・・比較的小さな神社の社号として用いられる

 

興奮冷めやらぬまま、
次に熊野川沿いの道を使って
北の方角へ山道を進みます。

途中何箇所か参拝道入り口という表示があって、
午前中の熊野古道のような山道に
つながっているみたいでした。

昔は歩いて移動という修行の場でもある
この地域。
快適な舗装道路をしかも車で走っていて
申し訳ないくらいですが、
熊野本宮大社にだんだん近づいてきます。

熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)

熊野本宮大社は熊野参詣の中心地で、
熊野速玉之男神(くまのはやたまのをみこと=イザナギノミコト)、
熊野牟須美大神(くまのふすみのおおかみ=イザナミノミコト)、
家都美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノウノミコト)、
天照大神(あまてらすおおみかみ)という、
日本創生神話のオールスターが祀られている、

ご創建2050年を迎えた、大変な神社です。
家都美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノウノミコト)が主祭神になります。

スサノウノミコトの漢字は変換しても出てきませんが、こんな感じです。

熊野本宮大社の参拝

大社すぐ近くの駐車場に車を止め、
参拝です。

一の鳥居はここ。

鳥居右側には石の社号標。

鳥居をくぐると、平らな参道、

かと思いきや、先にはやっぱり階段。
午前中の那智大社への熊野古道の疲れも
癒えないまま、
泣く泣く登ります。

階段を上ると正面に神門と、左側に拝殿。

神門の奥に本殿がスサノウノミコトなどが祀られている本殿があります。

この先の本殿は撮影禁止ですが、しっかり参拝はしてきました。
4つのお社が並び、
イザナギ、イザナミ、スサノウノミコト、アマテラスのお社がそれぞれ
並んでいました。
まさに日本神話オールスター。

熊野速玉大社の鮮やかな朱塗りとは違い、
塗装はされていない、無垢の木の表が現れていて、
宝飾のなさが逆に凄みとなって漏れている
そんな感じでした。

神門前の拝殿では八咫烏(やたがらす)が祀ってあり、
のぼりはどこかで見たようなマークが。

八咫烏(やたがらす)

たびたび出てくる八咫烏(やたがらす)ですが、ここで解説。

本宮内に掲示してある説明書きと、HPの内容を要約します。

八咫烏は、

太陽の化身、神の使者で3本足のカラス。
この3本は、スサノウノミコトのご神徳(神が人間に加える力)である、
智、仁、勇、あるいは天、地、人の意味がある。

天とは神様のこと。地とは大地のことで我々の住む自然環境。

つまり八咫烏とは、太陽の下に、
神様と自然と人が血を分けた兄弟であるということを、
二千年前に示されていた象徴、ということになる。

カラスは一般には不吉の鳥とされているが、
方角を知るので未知の地へ行く道案内や、
遠隔地に送る使者の役目をする鳥とされていて、
日本を統一した神武天皇を、
大和の橿原まで先導したという
神武東征の故事(伝説?)に習い、
導きの神として篤い信仰があるとのこと。

3本足のカラスは日本サッカー協会のマークで有名ですが、
明治時代の協会発足当時からこのカラスをシンボルとしているそうです。
日本代表のユニフォームにも3本足が描かれています。

本宮社務所がこの意味を考えると、
目的とする相手ゴールを外すことなく、
きちんととらえて納める、
という意味ではないか、としています。

これは拝殿なのですが、
こっちは撮影禁止とは書いてなかったので撮影。
中をのぞくとサッカー日本代表のユニフォームや
歴代ワールドカップ公式球が納められていました。

これまでも協会でお参りしていたでしょうし、
ブラジルワールドカップで予選突破の活躍後に
お礼参りしたかもしれません。

熊野本宮大社の金色の八咫烏

また、この拝殿前には八咫烏ポストが設置されていて、
社務所で八咫烏のスタンプを押してもらえて、
普通に手紙を出すことができます。

通常はポストの上のカラスは黒なのですが、
2018年は創建2050年の企画で金色の八咫烏仕様になっています。
今はどうなんでしょうね?

当然、八咫烏おみくじがあり、
金色八咫烏がありました。2018年限定らしいですが、
今もあったりして。

おみくじは、ひっくり返したおなかの中に収まっていました。

熊野本宮大社跡地 大斎原(おおゆのはら)

階段をやっとのことで降り、
一通り熊野三山をお参りできたかな、と思ったのですが、
日本第一鳥居という看板を見かけてしまいました。

調べてみると、その昔、熊野本宮大社は、
熊野川の中州にあったそうです。

こちらが昔の様子。

が、1889年(明治22年)大規模な洪水で
旧社地の社殿は破損、現在の位置に遷したとのこと。

旧社地の中州は大斎原(おおゆのはら)と呼ばれていて、
ここに日本一大きな鳥居がここにあります。

日本第一鳥居

折角だから行ってみようか、ということで、
本宮大社から車で5分くらい走り、到着。
ちょっと歩いて、それがこれ。

確かに大きい。

鉄筋コンクリート製で、高さ33.9m、横42mで、
ビルなら10階建てぐらいの高さ。
2000年に建てられたそうです。

2017年は安芸の宮島、厳島神社の鳥居を見て、
でかいなあと思いましたが、
それでも高さ16.6m、棟の長さ24.2mとのこと。
学校の25mプールを立てた感じ。
ちなみに木造の鳥居としては日本一です。

大きいことはすごいのですが、
本殿のない鳥居で、現本宮につながる向きでもないので、
その存在意義はちょっと疑問。
やっぱり神様はまだ、こちらにいるということなのでしょうか?

大きさの感動と、少しの疑念を持ちつつ、
大斎原(おおゆのはら)の駐車場近くに八咫烏の碑があったので、
ここで写真を撮って、熊野の地を離れることになりました。

タイトルの写真がその碑です。

八咫(やた)って?

八咫烏がとても気になり、
碁石の黒石の原料で有名な那智黒石で作った八咫烏が、
お土産屋にあったので、入手しました。

10㎝くらいの大きさですが、大きさの割にずっしり重い。

これで、おみくじの分を入れて、
3体の八咫烏が家にいることになりました。

ところで、八咫(ヤタ)って何だろうと思い調べてみたら、
意味があったようです。

そもそも咫は古代日本や中国における長さの単位で、
主に円周の長さを表すのに用いたものです。
直径1尺の円の周長が4咫。
つまり三種の宝物の「八咫鏡」とはそのままであれば
「2尺の円の鏡」という意味。

ただ、実際の長さというよりは、
“非常に大きい”とも、“偉大”とも例えられ、
八咫烏の場合は、神の象徴として
「非常に大きく偉大なカラス」という事になるみたいです。
八百万の神様の八百万と同じような感じでしょうか?

奈良への道

大満足の熊野三山参拝は無事終了。
一日に三箇所はちょっと辛かったですが、
満足、満足。

熊野本宮大社というか、大斎原(おおゆのはら)を後にして、
この日の泊り先は奈良。
奈良への移動は、奈良県の国道168号線の山道をひたすら北上です。
ほぼ奈良県最南端から縦断です。

3時間ちょっとかかって、
奈良のホテルに8時ころ無事到着し、
旅の2日目の日程は終了です。

こちらに続く。

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